令和4年分の確定申告トピック ~副業をしている人の確定申告〜
最近、多くの企業は、働き改革の中で就業規則を変更し、社員の副業を認めるようになってきました。さて、その副業をめぐって、所得税では、事業所得になるのか雑所得になるのかによって、税額に与える影響はかなり違ってきます。
事業所得、雑所得とも、収入から必要経費を控除することができるという点は同じなのですが、事業所得の場合、①赤字の場合であれば、給与所得等他の所得と通算できる、➁青色申告を選択することにより、青色申告特別控除や、事業専従者給与の必要経費算入、少額減価償却資産の特例といった優遇措置を受けられる、といったメリットがあります。
当然事業所得を選択したいところであります。ではその判定はというと、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定するとされています。これが大前提ですが、昨年、所得税基本通達が改正され、判断基準が明確にされました。
令和4年の確定申告にあたり、事業所得として申告できるかどうかについてポイントは
帳簿書類の保存があるかどうかにかかっています。きちんと帳簿を作成し、取引の書類と合わせて保存していれば、たいていは事業所得に該当することになります。但し、①収入金額が僅少と認められる場合(例えばサラリーマンが副業を行っている場合に、副業の収入が概ね3年程度毎年300万円以下で、給与年収の10%未満の場合など)➁所得を得る活動に営利性が認められない場合(所得が概ね3年程度毎年赤字で、かつ赤字を解消するための取り組みが認められない場合など。)には帳簿があっても、事業として認められないリスクがありますので留意が必要です。